登壇する際のよりアクセシブルなアンケートの取り方について
この記事はアクセシビリティ Advent Calendar 2019の12日目の記事でありギークハウス界隈 Advent Calendar 2019の19日目の記事でもあります。
先日こちらのイベントに参加してきました。
イベントで登壇者がアンケートを取るため、聴衆に挙手や拍手を求めるシーンはよくあると思いますが、このイベントでも聴衆に拍手を求めるシーンがありました。その時、アクセシビリティに関するイベントであり、障害を持っている方も多数来ていたというのもあると思うのですが、挙手ではなく拍手なのは視覚に障害のある方への配慮なのだな、なるほど、と一瞬納得しかけたのですが、直後にこのようなことに気づくわけです…
視覚障害者と聴覚障害者がいる場合、拍手と手をひらひらさせるのと両方って難しいかな? #a11y_lt
— Aki Mayu (@akimayu) 2019年12月10日
アンケートの結果を拍手で求めれば、視覚に障害があっても聴覚に頼ることができれば結果を聞くことができます。しかし、この場合には聴覚に障害がある方は結果にアクセスすることが難しくなります。僕は無意識的に視覚障害の方を前提に考えてしまい、拍手がよりよいアンケートの取り方だと納得しかけてしまったのですが(これはふだん僕が関心があるWebにおけるアクセシビリティがその性質上視覚障害の方を対象に考えることが多いからだと思われます)、聴覚障害のある方にとっては拍手がむしろアクセシブルでない手法となってしまうわけです。それでは、視覚障害の方と聴覚障害の方、どちらにもアクセシブルな手法はないかと考えると…
頭上に手を上げて拍手したら、拍手してるって見えるし聞こえるしと思ったけどどうかな?
— yocco*🐤 (@yocco405) 2019年12月11日
頭上での拍手をお願いするようにすれば、視覚に頼れる方は手が挙がっているのを見ることによって、聴覚に頼れる方は拍手の音量を聞くことによってアンケートの結果にアクセスすることができます。よりアクセシブルな手法と言えるのではないでしょうか。
というわけで、よりアクセシブルな手法として、登壇した際にアンケートを求める場合には「頭上での拍手」をお願いするのがよいのではないかと思います。ベストプラクティスに近いんじゃないかと思っているんですが、より良い案があれば教えてください…。